チリワイン、美味しいクールクライメット・シラーの選び方

ワイン

Hola(オラ)〜 ワインエキスパートの管理人です。

チリワインの美味しいクールクライメット・シラー、つまり冷涼産地のシラーを選ぶとき、ブランドや価格だけで選んでいませんか?

もちろんそれも一つの手です。が、実はもう一つ、美味しいクールクライメット・シラーを選ぶ方法があります。

それは「クールクライメット・シラーの好適品種産地」のワインを選ぶことです。知っていれば、ブランドや価格にとらわれない、優れたクールクライメット・シラーをみつけることが可能です。

美味しいクールクライメット・シラーを選ぶ方法

チリワインの美味しいクールクライメット・シラーを選ぶ方法は、「クールクライメット・シラーの好適品種産地」のワインを選ぶことです。

なぜなら、チリでは好適品種産地、つまり「特定のブドウ品種にとって最適な栽培条件が整っており、その品種の最高の個性が発揮される地域」の研究が盛んだからです。ニューワールド随一です。

クールクライメット・シラーの好適品種産地は、具体的に以下のとおりです。

  • Limarí(リマリ)
  • Aconcagua Costa(アコンカグア コスタ)
  • Casablanca(カサブランカ)
  • Leyda(レイダ)

チリのシラーには、クールクライメット(冷涼地)・シラー と 温暖地シラーがあります。

  • クールクライメット(冷涼地)シラー:酸が高く、スパイス香豊富で、フランス北ローヌ的エレガンス
  • 温暖地シラー:果実味と厚み重視で、豪州スタイルやニューワールド的濃厚感

好適品種産地の研究は、お金と時間が、膨大にかかります。

チリでは大メーカーが率先して、情報公開しています。

好適品種産地の研究および公開によって、規模の小さなブティックワイナリーでも秀逸なワインを生産することが可能になっています。

チリワイン全体のレベル向上につながっています。

具体的な選び方

チリワインの美味しいクールクライメット・シラーの具体的な選び方は、ボトルのラベルや、ネット情報や、プライスカードに、(上述した)好適品種産地の記載があるワインを、探すことです。

ボトルラベルの場合

ボトルラベルの場合、以下の好適品種産地が、英字で記載されています。(上記写真であれば Casablanca)

  • Limarí
  • Aconcagua Costa
  • Casablanca
  • Leyda

なお、谷(Valley や Valle)を意味する英語やスペイン語の文字が、入ります。

たとえば、Casablanca だと、以下のとおりです

  • Casablanca Valley
  • Valle de Casablanca

原産地呼称を意味する D.O. の文字が、入るときもあります。

  • D.O. Casablanca Valley
  • D.O. Valle de Casablanca

ネット情報、プライスカードの場合

ネット情報、プライスカードの場合は、以下の好適品種産地が、カタカナで記載されていることが多いです。

  • リマリ
  • アコンカグア コスタ
  • カサブランカ
  • レイダ

好適品種産地の特徴

では、簡単に、各好適品種産地のクールクライメット・シラーの紹介をしますネ。

リマリ

リマリ ヴァレー(Limarí Valley)のシラーの特徴は、「高い酸、赤果実、黒コショウ、ミネラル、張りのある構造、エレガンスな北ローヌ風のスタイル」です。

具体的には、以下のとおりです。

  • 香り
    • 赤果実(ラズベリー、クランベリー)
    • 黒コショウ、オリーブ、ローズマリー
    • 鉄っぽさ、スモーキー
  • 味わい
    • 高めの酸、緻密なタンニン、スレンダーな骨格
    • ミネラルを思わせる「塩っぽさ」や石灰的なタッチ
    • 過熟感が少なく、アルコールも比較的穏やか(13.5%前後)
  • 余韻
    • 石灰岩由来の粉っぽいミネラル感
    • 果実の甘さではなく、冷涼感・スパイス・塩気が余韻を支配
    • 余韻の長さは中〜長め。静かながら芯のあるフィニッシュ

リマリ ヴァレーのテロワール概要は、以下のとおりです。

チリ北部、D.Oコキンボ地域のサブリージョン、太平洋から東に開いたV字型の谷に広がるワイン産地です。

北側には砂漠が広がっていて非常に乾燥、さらに太平洋沿岸をながれる寒流の影響をおおきく受け冷涼な気候です。

準砂漠気候のため、灌漑は必須。

チリでも極めて珍しい石灰質土壌が広がっています。

アコンカグア コスタ

アコンカグア コスタ(Aconcagua Costa)のシラーの特徴は、「スパイス、塩味、鉄分、花崗岩由来のミネラル感、エレガントで複雑、骨格のあるスタイル」です。

具体的には、以下のとおりです。

  • 香り
    • 赤系果実(ラズベリー、チェリー)
    • 黒コショウ、クローブなどのスパイス
    • 黒オリーブ、ラベンダー、時に鉄分や潮風のニュアンスも
  • 味わい
    • 酸が高く、フレッシュでタイトな果実感
    • タンニンはきめ細かく、決して重すぎない
    • アルコールは13〜13.5%前後、飲み疲れしない
  • 余韻
    • ミネラル感・鉄分・黒コショウが立ち上がる
    • 海に近い畑特有のほのかな塩気や石灰的な硬質さも

アコンカグア コスタのテロワール概要は、以下のとおりです。

チリ中部、D.O.アコンカグア ヴァレーの西側にひろがり、太平洋に近接したワイン産地です。

海から15〜25kmに位置するため、太平洋を流れる寒流の影響を大きく受け、冷涼な地中海性気候+海洋性の気候です。

降水量が少ないため、灌漑は必須。

花崗岩ベースの風化土壌が広がっています。

アコンカグアのEntre Cordilleras(エントレ コルュディリェラス)側、およびアンデス側では、温暖系シラーが好適品種産地となっています。

レイダ

レイダ ヴァレー(Leyda Valey)のシラーの特徴は、「シャープな酸、スモーキー、赤果実、乾いたハーブ、緻密・繊細・香り高い冷涼スタイル」です。

具体的には、以下のとおりです。

  • 香り
    • 赤果実(ラズベリー、レッドチェリー)
    • 黒コショウ、ドライハーブ、ラベンダー
    • 土や石、時にスモーキーな鉱物的ニュアンス
  • 味わい
    • 高めの酸
    • タンニンはきめ細かく繊細
    • 果実味は控えめで、スパイスやハーブが中心
  • 余韻
    • 最後に黒コショウと湿った石のようなミネラルが持続
    • 果実の甘みよりも、スパイス・鉄分・潮風のような塩気が感じられる

レイダ ヴァレーのテロワール概要は、以下のとおりです。

チリ中部、サン・アントニオ・ヴァレー内のサブリージョン、太平洋沿岸に広がる冷涼なワイン産地。

太平洋からわずか10km、沿岸をながれる寒流の影響を大きく受ける冷涼な海洋性気候。

降水量が少ないため、灌漑は必須。

ミネラル感を生む花崗岩ベースの土壌が広がっている。

カサブランカ

カサブランカ ヴァレー(Casablanca Valley)のシラーの特徴は、「赤系果実、甘いスパイス、酸と果実の調和、親しみやすくもエレガントなスタイル」です。

具体的には、以下のとおりです。

  • 香り
    • ラズベリー、レッドプラム、ブルーベリーなどの赤〜黒系果実
    • 黒コショウ、クローブ、乾燥ハーブ(タイムやローズマリー)
    • 一部にはラベンダーやスモーキーな香りも現れる
  • 味わい
    • 柔らかく熟した果実味と、冷涼地特有のシャープな酸
    • タンニンはシルキーで、スムーズな流れ
    • 果実よりもスパイスとハーブの印象が強調されやすい
  • 余韻
    • 黒コショウとミネラルが長く残る
    • ややドライでエレガンスな余韻
    • 一部区画ではほのかな塩味や石灰的ニュアンスも

カサブランカ ヴァレー(Casablanca Valley)のテロワール概要は、以下のとおりです。

チリ中部、海岸山脈内の谷に広がる冷涼なワイン産地。

海からの距離が15〜30kmと非常に近いため、太平洋を流れる寒流の影響が大きく、冷涼海洋性+地中海性のハイブリッドの気候。

降水量が少ないため、灌漑は必須。

土壌は、花崗岩・粘土・砂のミックス土壌がひろがっている。

まとめ

というわけで、チリワインの美味しいクールクライメット・シラー、つまり冷涼産地のシラーを選ぶ方法は、「クールクライメット・シラーの好適品種産地」のワインを選ぶことです。

ブランドや価格にとらわれない、美味しいクールクライメット・シラーをみつけることが可能です。

クールクライメット・シラーの好適品種産地は、具体的には、以下の地域になります。

  • Limarí(リマリ)
  • Aconcagua Costa(アコンカグア コスタ)
  • Casablanca(カサブランカ)
  • Leyda(レイダ)

では、Caio(チャオ)〜

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