【チリ中部の“恵みの谷”】エントレ・コルディエラスとは?地形とワインの関係をやさしく解説

チリワインを深掘り!

Hola(オラ)〜!チリワインなび管理人です🍷

チリワインの中心地はどこか知っていますか?

その答えは、海でも山でもなく──“谷の真ん中”にあります。

エントレ・コルディエラス(Entre Cordilleras)とは、西の海岸山脈と東のアンデス山脈に挟まれた内陸の谷のこと。まさにチリワインの“心臓部”とも呼ばれる場所です。

ここでは、一年を通して安定した日差しと、昼夜の寒暖差がブドウをゆっくり育て、果実味と酸のバランスがとれた味わいを生み出します。

この記事では、チリの地形を“横から見る”ことで、海・谷・山、それぞれのワインの違いをやさしく紐解きます🍇

📘 この記事を読むとわかること

  • 「エントレ・コルディエラス」がどんな場所か
  • なぜ“谷の真ん中”がワインづくりに理想なのか
  • どんなブドウができるのか?

🌿 “山と山のあいだ” ─ エントレ・コルディエラスとは?

まずは、今回の主役「エントレ・コルディエラス(Entre Cordilleras)」が 、チリのどこにあるのかを見てみましょう。

エントレ・コルディエラスとは、スペイン語で「山と山のあいだ」という意味。

西の海岸山脈(Cordillera de la Costa)と、東のアンデス山脈(Cordillera de los Andes)挟まれた内陸の谷のことです。

チリ中部ではこの谷が南北に長く伸び、国全体のワインの約6割を生み出す「恵みの地」となっています。

🗺️ チリの“横の地形”を知ろう──3つのゾーン構造

では次に──

このエントレ・コルディエラスがどんな地形の中にあるのかを、チリの“横の地形構造”から見ていきましょう。

太平洋から海岸山脈、内陸の谷(エントレ・コルディエラス)、そして東のアンデス山脈へ──。

わずか100kmほどの横の地形の中に、チリワインの多様な味わいの秘密が詰まっています。

ゾーン名意味地形の特徴向いている品種
🌊 コスタ(Costa)海岸に近い丘陵地帯太平洋の影響を強く受ける冷涼地ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワール
🌿 エントレ・コルディエラス(Entre Cordilleras)山と山のあいだの谷温暖で乾燥した中央の平野カベルネ・ソーヴィニヨン、カルメネール
🏔️ アンデス(Andes)山麓の高地標高が高く昼夜の寒暖差が大きいシラー、マルベック

🧭 地形を“横から見る”と、チリワインの世界がぐっと立体的に見えてきます。

🌡️ “恵みの谷”をつくる気候のメカニズム

地形がわかったところで──次は、その地形が生む“気候のしくみ”です。

昼は太陽の熱が谷にこもり、夜はアンデスの冷気が流れ込む。

この昼夜15度の温度差こそが、エントレ・コルディエラスを「恵みの谷」にしている最大の理由です。

☀️ 昼:太陽と閉ざされた谷がぶどうを熟させる

昼間は、太平洋からの冷たい海風が海岸山脈で遮られ、谷の中は太陽の熱がこもりやすく、30℃を超えることも

🌞 光と熱がしっかり届く──

果皮が厚く、糖度の高いブドウが育つ条件です。

🌙 夜:アンデスの冷気が谷に流れ込む

夜になると今度は、アンデスの斜面から冷気が流れ込み、15℃前後まで下がることもあります。

🌡️ 昼は果実を熟させ、夜は酸を残す──

この「寒暖差のリズム」が味わいを引き締めます。

🍇 気候条件とワインへの影響まとめ

エントレ・コルディエラスを形づくる気候要素を、もう一度整理してみましょう。

昼と夜で大きく表情が変わるこの谷は、まさに自然のバランス実験室のようです。

要素特徴ワインへの影響
☀️ 日照晴天が多く年間約300日果実が完熟しやすい
🌡️ 寒暖差昼30℃・夜15℃前後酸を保ちながら凝縮感アップ
💨 風夜にアンデスから下降風病害が少なく健全な果実
💧 降水量年間300〜500mm乾燥し糖度コントロールが容易

🍷 “温暖 × 乾燥 × 寒暖差”──

この三拍子がそろうと、チリらしい果実味が生まれます。

🍇 エントレ・コルディエラスが育むブドウとワイン

地形と気候がわかったところで、次に気になるのは──「そこで何が育つの?」ですよね。

この章では、エントレ・コルディエラスが生む代表的な品種と、各谷ごとの個性豊かなスタイルを紹介します。

🍷 チリワインの“心臓部”を支えるブドウたち

チリ全体のワインの6割以上がここで造られています。

温暖で乾燥した気候は、ボルドー系赤品種に最適。

品種特徴ワインの印象
カベルネ・ソーヴィニヨン果皮が厚く日照に強い力強くスパイシー
メルロ柔らかく熟したプラム香まろやかで親しみやすい
カルメネール丸みある渋み、チリの看板ハーブやチョコの香り

🏞️ 北から南まで500km!谷ごとに異なる味わい

エントレ・コルディエラスはチリ中部に広がる帯のような地形。

北のマイポから南のイタタまで、およそ500kmも続いています。

地域特徴ワイン傾向
🍷 マイポ谷昼夜の寒暖差が大きいエレガントなクラシック赤
🌿 コルチャグア谷温暖で丘陵が多い濃厚でリッチな赤
🍒 マウレ谷古木が多く伝統的素朴で旨みある赤
🍇 イタタ冷涼・古木系の復活野性的で深みのある味わい

🌅 まとめ|“チリの心臓部”エントレ・コルディエラスの魅力

ここまで見てきたように、エントレ・コルディエラスは、チリのワインづくりを支える「恵みの谷」であり、同時に“チリの心臓部”とも言える存在です。

海からの冷風を海岸山脈が受け止め、夜にはアンデスの冷気が谷を流れる──。

この地形のリズムこそが、果実味と酸の絶妙なバランスを生み出しています。

特徴内容
☀️ 気候温暖で乾燥。日中の光がぶどうを完熟させる。
🌡️ 温度差昼夜の寒暖差が果実と酸のバランスを整える。
🍇 品種カベルネ、メルロ、カルメネールなどボルドー系中心。
🏞️ 位置海と山の間、まさにチリの“心臓部”にあたる地形。

🌿 温暖×乾燥×寒暖差。それがチリワインの“黄金比”をつくる条件。

次にワインを選ぶときは、「どの谷で育ったぶどうか」を意識してみてください。

きっと、チリワインの奥行きがもっと見えてくるはずです🍷

❓ よくある質問(FAQ)

Q
「エントレ・コルディエラス」ってラベルにもあるの?
A

表示は任意。範囲が広く、代わりにマイポやコルチャグアと書かれることが多いです。

Q
どのワインが“エントレ産”かわかる?
A

DOが「Maipo」「Colchagua」「Maule」なら、ほぼこのゾーンです。

Q
他の2つ(コスタ/アンデス)との違いは?
A

コスタ=シャープ、アンデス=骨格、エントレ=果実と酸の中間です。

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