【水が足りない!?】チリのワイナリーが“どんどん南下”している理由とは?(後編)

通が語るチリワイン

──「水不足」だけじゃない!南下のもうひとつの理由とは?

Hola(オラ)〜!チリワインなび管理人です🍷

この記事は、【水が足りない!?】チリのワイナリーが“どんどん南下”している理由とは?(前編) からの続きです。

前編では、「水が足りない!」という切実な理由から、チリのワイン産地が南へと広がっていることを解説しました。

でも実は、南下の理由は“水”だけじゃないんです。

後編では、冷涼地が持つワイン的な魅力と、それにいち早く目をつけた次世代ワイナリーたちの戦略に迫っていきます!

📌この記事を読むとわかること

  • 「冷涼地」がチリワインに与えるポジティブな影響とは?
  • 若手醸造家が南部に注目する背景と代表的なワイナリー
  • 冷涼地ワインの魅力とリスク、その両面
  • 南下が意味する「サステナブルな未来」へのワインづくりの転換点

❄️ 冷涼地ワインの魅力とは?

なぜ冷涼だと、いいワインができるの?

なぜ冷涼だと、いいワインができるの?

ひとことで言うと、冷涼な気候は「エレガントな味わい」につながるんです。

冷涼地では、ぶどうがゆっくり熟すため、

  • 酸がきれいに残る
  • 糖度が上がりすぎず、アルコールも控えめ
  • 果実味とミネラル感のバランスが取れる

となり、結果として、繊細で上品なスタイルのワインが生まれるんですね。

とくに「ブルゴーニュ的なピノ・ノワール」や「シャブリのようなシャルドネ」などを理想とする生産者にとって、南部の冷涼地はまさに“夢のテロワール”なんです。

👨‍🌾 「新世代ワイナリー」の挑戦

こうした冷涼地のポテンシャルにいち早く気づいたのが、新世代のワイナリーや若手醸造家たちです。

ビオビオ、イタタ、マジェコ、チロエなど南部の新注目産地に向かった彼らをざっくり紹介します。

🍷 ベティッグ(Bettíg)

  • 元エラスリスの醸造家、フランシスコ・ベティッグ氏が独立して創業
  • マジェコでの冷涼シャルドネ・ピノノワールが、世界的にも高評価
  • 「南でも、世界基準のエレガンスはつくれる」と実証中!

🍷 モンテス(Montes)

  • すでにビオビオやさらに南の実験区画で新たな栽培を開始
  • チロエ島など極南地での試験栽培にも着手。未来への投資とも言える動き

🍷 その他、ナチュラル系の注目株たち

  • イタタの古木品種(パイス、モスカテルなど)を生かしたロウ・インターベンション系ワインも続々と登場
  • 若手醸造家による「自然派×古木」のムーブメントも見逃せません!

🔍ロウ・インターベンション系ワインとは?

「人的介入をできるだけ減らして造るナチュラル系ワイン」のこと。化学肥料や農薬を極力使わず、醸造でも酵母添加・フィルター・清澄などを最小限にとどめ、ぶどう本来の個性や土地の特徴(テロワール)をそのまま表現するスタイルです。

🔥 まだまだ“リスク”はある。それでも挑戦は続く

冷涼地でのワインづくりは、いいことばかりではありません。

  • 収穫時期が遅くなることで、霜や雨のリスクが高まる
  • 病害(カビなど)が増えやすく、防除コストも増加
  • インフラが整っておらず、設備投資が大きい

…といった“自然との戦い”も避けられないのが現実です。

でもそれでも彼らは、「チリワインの新しい可能性を切り拓きたい」という情熱で、リスクを背負いながら挑戦を続けているんです。

🧭 南へ行くことは、過去と未来をつなぐこと

この“南下”の動きは、単なる危機回避ではありません。それは、持続可能な未来を見据えた、新しいワインづくりの形なんです。

  • 水不足のリスクを避けながら
  • 冷涼地のテロワールでエレガントさを追求し
  • 古いぶどう樹や地元品種を再評価しつつ
  • ナチュラル志向や地球環境への配慮にも応える

まさに「未来を見据えた、新しいチリワインの進化形」ですね!

📖 前後編まとめ|“南へ向かうチリワイン”が教えてくれたこと

前編では、2010年以降チリを襲った「メガドロート(Mega Drought)」=大干ばつの影響で、ぶどう畑が水不足に苦しんでいる現状をご紹介しました。

そして後編では、それをきっかけに南下したワイナリーが、冷涼な土地ならではのテロワールと出会い、エレガントで新しいチリワインの可能性を開拓している姿を見てきました。

つまりチリワインの「味の変化」は、ただのトレンドではなく、自然との向き合い方が変わった結果なんです。

今、チリワインは、

  • “安うま”から“サステナブル&ハイクオリティ”へ
  • 大量生産から“テロワール重視”へ

静かに、でも確かにシフトしています。

次にワインを選ぶとき、もし「ビオビオ」「イタタ」「マジェコ」などの産地名を見つけたら、そこにある気候・自然・人との対話の物語を、ぜひ一口で感じ取ってみてくださいね🍷

それでは、また次の記事でお会いしましょう〜

Salud!(サルー!)🍇

🔁 前編をまだ読んでいない方はこちら!

「水不足でワイナリーが南へ?」その背景に迫る!👉 【前編】【水が足りない!?】チリのワイナリーが“どんどん南下”している理由とは?

  • メガドロート(干ばつ)とは?
  • なぜチリワインは“水”なしに語れない?

南部の注目産地とともに、ワイナリーが南下を始めた本当の理由を、やさしく解説しています!

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